2019年6月23日日曜日

世界遺産 西芳寺・サイホウジ(通称 苔寺) │ この庭はなぜ人々を魅了するのか

6月だ!『西芳寺』へ参拝するぞぉー💨


「古都京都の世界文化遺産」17か所の内の一つであり、『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に、また「湘南亭2棟」と「絹本著色夢窓疎石像」は国の「重要文化財」に指定される寺院です。

以前は『天龍寺』の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗の単立寺院となっています。

創建は奈良時代、1300年ほども遡る。
幾度もの荒廃再興を繰り返し今、人々を魅了する。

【大佛次郎】の小説『帰郷』にも色を添え、
Appleを創業した 故スティーブジョブスも度々訪れたと言う

120余種の苔が織りなすこの庭は、なぜこれほどまでに人々を魅了するのか~💖


西芳寺 マンジュウ苔(白苔)
西芳寺 マンジュウ苔(白苔)


「どんなお寺なのか行ってみたいな~」っと、誰しもが思うと思うのですが、『西芳寺』への参拝には「事前申込」が必要ですからね。往復はがきに希望日を記載送付し、返送された「参拝証」を持って指定された時間に参拝します。また、参拝には「写経」もセットとなっております。ちょっと手間暇かかるのです。


📗『西芳寺』へ「往復はがき」で事前申込をしよう

■『西芳寺』を参拝するには、往復はがきによる事前申込が必要

世界中から参拝者の訪れる『西芳寺』。以前は普通に参拝ができましたが、庭園ブームなどにより参拝者が年々多くなる中、観光公害が生じ、色々対策を行ってみたものの解決することができなかった為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

■基本参拝は中学生以上

参拝は中学生以上。小学生以下の参拝は通常は行えません。が、
年に数回お子さま中心の参拝を行う予定であり、日程等は、決まり次第HP上で案内していただける由。

■事前申込受付期間

事前申込の往復はがきは、参拝希望日の2ヶ月前から、遅くとも1週間前に必着する必要があります。ただし、申込多数や法要等の都合により、希望に添えない場合もあります。

■申込方法:往復はがきの書き方

・送付先

〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ヶ谷町56
西芳寺参拝係 宛

・送付先裏面

「参拝希望日(複数日可)」「総人数」「代表者の住所・氏名・電話番号」

・返信先

「代表者の住所・氏名」

返信先裏面

白紙で送付します。


■返送されてくる「参拝証」

往復はがきを送付すると「参拝証」が返送されてきます。👇
この「参拝証」は持参が必要ですので失くさないで~💦


記載されていることは、

・参拝日時
・拝観料(冥加料)一人3000円以上
・写経用の筆・筆ペンの持参要

です。さあ、このはがきがくれば後はわくわく待つのみです😁

・問合わせ先等

『西芳寺』 TEL: 075-391-3631
『西芳寺』事前申込についてのページ↓
http://saihoji-kokedera.com/reservation.html

📗 自転車で『西芳寺』を目指す!

梅雨時にと思って「事前申込」をしたのに・・・
な・な・なんと晴れが続いて3日目、雨はどうした~❕と言っても降りそうにないし、これはこれ、晴れている事に感謝し、自転車で『西芳寺』を目指しました💦


今回の自転車ルートは

『西芳寺』へは四条通をひたすら西へ、桂川にかかる「松尾橋」を渡り『松尾大社』の前を過ぎ、物集街道(モズメカイドウ)を南下、400~500m地点に茶色の歩道橋が見えたら右折、あとはまっすぐ。同じ道沿いに『鈴虫寺』『竹の寺』そしてその先に『西芳寺』があります。

自転車は橋を渡った右側(東側)、入口(門)の前に駐輪させていただけました。
ゆる~~~い登りの道でした。


気を付けよう

『西芳寺』は静かな場所にあります。中にも外にも飲み物の自動販売機はございません。
開門を待っているだけでも喉が渇いてきますし、寺に入り写経し、お庭を拝見するとなると所要時間は2時間。飲み物は必ず持参される事をおすすめします。
境内に抹茶のサービス等もありませんよ~。



📗 いよいよ『西芳寺』へ

開門時間を待つ

開門時間まで、門前の橋の上に並び待っている方、目の前のCafé?で待たれる方、また、木陰で待たれる方など様々でした。ジュースの自動販売機等はありませんでしたが、目の前のCaféの方が、籠にジュースを入れて売りに来られていました。NICE💖

30分前になると門が開き、「参拝証」を持った方、団体の方の順で門をくぐります。


受付


左手側本堂の前を通り過ぎ、宗務所から靴を脱ぎ、受付を行います。
西芳寺 本堂(西来堂・さいらいどう)


「参拝証」を渡し”冥加金(一人3000円以上)”を納めます。”冥加金”は包んで来られている方は少なく、殆どの方はお金を裸のまま納めていました。

”ご朱印”の受付場所は参拝受付と並んでありますので、本堂へ入る前に”ご朱印帳”は預けるのが良いでしょう。志納料はご朱印帳を受取る時に納めました。


📗 『西芳寺』の「本堂」で写経

「本堂(西来堂・さいらいどう)」へ

受付を済ませたら、本堂で写経です。時間まで船底天井の渡り廊下と受付前で待機します。椅子も用意されていましたよ。

時間になると、係の方から注意事項の説明を受け、本堂へ入ります。
この日もYOU数名を含めかなり多くの人が参拝こられていました。平日でしたが100名は下らなかったと思います。

平均年齢は高め、50歳は超えるかと・・・一番若いと思ったのは、女性YOU2人組で20代とおみかけしました。


本堂について

本堂は1969昭和44 【京都大学名誉教授 村田治郎】の設計・監督により再建された建物です。


本堂に入ると、ご本尊の「阿弥陀如来」さまを中央に写経の為の机が並び、2種類の襖絵が目に飛び込んで来ます。特に正面の襖絵は金地に朱、ピンクやブルー、青、グリーン等でかわいい模様が描かれ明るい印象のもので【堂本印象】の作品です。


「写経」について

・写経した文字
「延命十句観音経/観世音 南無佛/与佛有因 与佛有縁/佛法僧縁 常楽我浄/朝年観世音 暮年観世音/念念従心起 念念不離心」

そして、お願い事、氏名・住所を記入し納経します。


「写経用の筆ペン又は細筆をご持参ください。」
と”参拝証”に記載がありますが、2019年6月に行った時は、「写経」用の席に「硯」と「墨」と「細筆」が用意されていました。が、細筆が必ず用意されている保証はありませんので、やはり持参した方が安心ですね。

「墨が置かれていますが調子に乗ってすらないで!」
「硯」には既に墨汁が入っており、濃さも問題ないと思います。
”おばちゃりだー”は調子にのって墨をすりすりしてしまい、気が付くと墨が濃くなり粘りが出てしまい、薄める水があろう筈もなく、結果書き辛かったです。

・「椅子席あり」
正座が難しい人用に椅子席の用意もありました。数え忘れましたが30~40くらいはあったのではないかと思います。”おばちゃりだー”は体重もあり正座は苦手なのですが、正座席でがんばりました。

「身だしなみには気をつけよう」
”おばちゃりだー”が座った席ではかすかに足の匂いがしていました。ひぇ~💦
誰だ~!くれぐれも他の参拝者の方に迷惑をかけないよう、足が匂う方は替えの靴下を持参するとか、椅子席に座るとかちょっぴり気を付けましょう。正座は足の裏が近いのですからね❕(足は崩しても問題ありませんが、近いのはかわりません❗)

「歩く振動や気配が気になります。席は選んだほうが良いかも」
写経が終わった人から、納経、参拝、そしてお庭拝見となります。
写経が終わった人は、主に庭側の通路を歩きますので、正座していると歩く振動や音がダイレクトに伝わりますし、手が遅いとそれに加えて焦りまで出てきて落ち着かなくなります。できれば通路に近くない席や後ろに近い席に着席した方が集中できるかもです。

・「感想」
不思議と文鎮を落とす方が多くてちょっと「ほっこり」しました。文鎮はなぜ落ちるのか❔ 理由はわかりませんが、何人もの方が落とされていました。ほっこりですね。


📗 いざ『西芳寺庭園』へ

『西芳寺庭園』について
『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に指定され、『金閣寺庭園』や『銀閣寺庭園』のモデルになったと言われる名庭です。

荒廃、再興を繰り返したお寺ですが、上段には中興【夢窓疎石】石組みを見る事ができます。また、下段の池泉回遊式庭園を埋め尽くす120余種の苔の絨毯にはため息が出ますが、実はこの苔、覆われたのは江戸末期。荒廃、再興を繰り返し、谷間と言う土地柄洪水の被害にもあったこの庭はいつしか苔に覆われていたそうです。そしてその後も廃仏毀釈等、紆余曲折を経て1928年より庭園が一般公開されるようになり、その後、観光被害を避ける為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

休憩所から庭へのアプローチ

「写経」と「参拝」を済ませていざ『西芳寺庭園』へ、
右側の建物は休憩所で奥に手水があります。写経を終えてまずは一休み、一休み。

西芳寺 休憩所

西芳寺 休憩所 手水

庭へ入っていきますよ~。庭入口までのアプローチ部分の苔は青々とふかふかでした。
しっとりはしていませんでしたけどね、晴れ続きですからね。

下段 池泉廻遊式庭園


上下二段に分かれている庭園です。まずは下段黄金池を中心にした池泉廻遊式庭園から。
まずは、「湘南亭」に向かいます。

こちらが幕末に【岩倉具視】が隠棲していた重要文化財「湘南亭」です。
【千利休】の次男【千少庵】によって建てられました。
西芳寺 湘南亭
北に張り出した月見台が特徴です。

「黄金池(心字池)」



庭師の方が苔の上に落ちた木の葉を集めておられました。

おおおお~、見た目は少しグロテスクですが、あまりおめにかからないほど広い面積に「マンジュウ苔(白苔)」が・・・




上段 枯山水の原点、【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組

上段へ向かいます(この階段は上から撮影したものです)


階段を上がりきると、開山堂「指東庵・シトウアン」があります。(写真はございません。トホホ)
お堂には、開山【行基菩薩】、平安初期草庵を結び修行をした眞如法親王】、中興の祖【夢窓國師】の御位牌。
室町時代の松尾大社宮司で【夢窓疎石】を招請した藤原親秀(チカヒデ)夫妻】と【夢窓國師】の木像が祀られています。


開山堂「指東庵・シトウアン」お参りして、先へ進みましょう❗
おおーっと、ついついお参りすると左側へ進みそうになるのですが、ちょっと待って下さい❗

大変わかりにくいのですが、開山堂「指東庵・シトウアン」の向って右側に【夢窓疎石】の枯山水の石組みがあるのですよ。

ここ、気が付かない方もいらっしゃると思います。隠れてますからね、お堂の影に、わかりにくいですからね、かなり😓

1339暦応2【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組です

見ると、水の落ちる様が見えるような、そんな石組です。



枯山水の前で一休みし、

階段を下り、

庭を出て、休憩所に戻り一休み、一休み。

あ、そうそう、開山堂近くに【夢窓疎石】が坐禅をしたと伝わる1mくらい(3尺)の「坐禅石」がありますのでさがして下さいね。”おばちゃりだー”は見たような気はするのですが、「坐禅石」失念していて通り過ぎてしまいました・・・😢


昨年の台風の傷跡も痛々しく、本来あるべき枝がなくなることで差し込む陽は苔にも影響を与えるでしょうし、お伺いすると、他にも暑い夏の影響も出てきているそうです。


そう言えば以前「桂離宮」で住宅が増える事で土地が乾燥してくる事も影響するとお聞きしたことがあります。

自然はデリケートですね。
がんばって下さい「庭師」さん💖 いつまでも美しい苔がみられますように。

📗 『西芳寺』基本情報

正式名称: 洪隠山 西芳寺 /通称「苔寺」

以前は天龍寺の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗単立寺院。

創建:聖徳太子の別荘があった地に、【聖武天皇】の詔により約1,300年前の奈良時代に【行基】が開山

本尊:阿弥陀如来

開山:【行基】

中興開山:【夢窓国師・夢窓疎石】



📗 アクセス

・車
駐車場無し。周辺にコインパーキング有。ただし時期によっては混雑する為、公共交通機関の利用を推奨。
車で行かれる場合の道順は、上に書きました「自転車で『西芳寺』を目指す!」や地図を参考にしてください。

・電車
阪急嵐山線「上桂駅」駅より徒歩約15~20分
阪急嵐山線「松尾駅」駅より徒歩約15~20分

・バス
京都バス(73・63)「苔寺・すず虫寺」下車徒歩約3~5分
京都市バス(29)「鈴虫寺・苔寺道」下車徒歩10~15分


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