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2020年3月30日月曜日

円成山『霊鑑寺・れいかんじ』 │ 椿の寺『谷の御所』 


2020春の特別公開へ行く

通常非公開の寺と言う事もあり、まだまだ知られていない『霊鑑寺』
実は「椿の名所」であり、
広い庭には、【後水尾天皇遺愛の「日光椿・じっこうつばき」をはじめ100種以上の椿が美しく咲く事から”椿の寺”とも呼ばれる。

通常は非公開であるが、”椿”の美しい3月末~4月初旬と、秋の紅葉の季節等には「特別拝観」を行い、美しい庭や数々の寺宝✨を公開する👍

コロナウィルス😷が騒がれる中ではありましたが、境内は混みあわないと思われる事、『哲学の道』の桜もどのくらい咲いているのか観てみたかった事もあり、公共交通機関は使わず、自転車🚴で、行ってまいりました~💚


円成山『霊鑑寺』はどこにあるの


『霊鑑寺』の住所・アクセス

京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町
075-771-4040
京都市バス「真如堂前」下車徒歩約7分、京都市バス「宮ノ前町」下車徒歩約5分

『霊鑑寺』のロケーション

『霊巌寺』は『銀閣寺』のほど近く、東山三十六峰の「鹿ヶ谷」麓にあります。
『哲学の道』に沿って、一段の上の道(東)、東山三十六峰の山裾を沿う通りです。
南は、『永観堂』『南禅寺』へ、西は「吉田山」『真如堂』『金戒光明寺』『吉田神社』が、北へ山裾には『安楽寺』『法然院』『銀閣寺』が並びます。因みに今年の干支”ねずみ”にゆかりの深い『大豊神社』はもう少し南にあります。


『哲学の道』から『霊鑑寺』へ

は『哲学の道』から『霊鑑寺』へと向かう道が好きです。


『哲学の道』『銀閣寺』側から橋のたもとの立札を見ながら歩いて行きます。
因みに『哲学の道』『永観堂・若王子神社』側から歩いた方が近いのですが・・・
桜をみたいので・・・

「哲学の道」の立札はこんな感じですよ↓
大体橋のそばに立っています。



立札に『霊鑑寺』の文字をみつけたら、矢印の方向(山へ)向かって急坂を登り、山裾に沿って南へ歩きます。『霊鑑寺』があります。
階段の上の山門は、大きくはないのですが、清楚で、格の高さを感じさせる佇まいで『霊鑑寺』を知らない方でも足を止め、山門を見上げるほどです。



円成山『霊鑑寺』ってどんなお寺 ❓



基本情報

📗 円城山(えんじょうさん)霊鑑寺

📗 臨済宗南禅寺派

📗 本尊:如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)

平安中期の天台宗の高僧【恵心僧都(えしんそうず) 
 


📗 創建:1654承応3

 【後水尾天皇】が霊夢により、当時は荒廃していたが、平安時代に東山山中にあり栄えていた「如意寺」の本尊如意輪観音像」を祀り、山号と寺号を勅許、同時に皇女【浄法身院宮宗澄・じょうほっしんいんのみやそうちょう(多利宮)】を得度、入寺させたことにはじまる。
創建以来、明治維新までの間に5人の皇女や皇孫が入山している尼門跡である。


📗 別名:「椿の寺」「谷の御所」「鹿ヶ谷比丘尼御所」


では、境内へ~

円成山『霊鑑寺』のみどころ


階段を上がる前に、階段下、左手を見て下さい。
御堂があるのがわかるでしょうか?
こちらは『霊鑑寺』の『妙見堂』です。

妙見堂:洛陽十二支妙見


「妙見堂」は山門の階段の下、向かって左側のお堂↓です。

こちらが、「鹿ヶ谷の妙見宮」です⇑

京都には「洛陽十二支妙見」と言って、「京都御所の紫宸殿」を中心に妙見大菩薩十二支の方角に祀り、それらを巡り開運、厄除けを祈願する風習があり、
『霊鑑寺』の「妙見さん」は、卯の方角、卯歳の妙見さんなのです。


堂内には「不動明王」も祀られています。

では、まずは「妙見さま」へご挨拶🙏

では、階段を上り、境内へ、
山門を入ったとおろに受付があります。
受付を済ませたら、左手側のご朱印場でご朱印を頂き、



看板犬ちゃん(4歳)をなでなでし、先へ進みます。

椿の花がお出迎えですね、綺麗ですぅ~。





中の門を入り、本堂へ、





本堂(なぜだ~!写真がありません💧) 京都市指定文化財


中の門を入り、
少し進み階段を上がると左手側に「本堂」があります。
案内の人が立っており、説明などもして頂けますよ。
しかし、中には入れませんよ、表からお参りします。

こちらの「本堂」は、

1795年寛政6年 
徳川11将軍【徳川家斉(とくがわいえなり)】の寄進により建立されたものです。

御本尊の「如意輪観音(にょいりんかんのん)像」の足元には、「霊鏡(鑑)」が祀られているとのことなのですが・・・ご本尊さま、見えそうでみ・み・見えない~。

そうそうお寺の名前の由来はこの「霊鏡(鑑)」からだそうですよ。


庭園:江戸中期の技法を用いた池泉鑑賞式庭園


東山連峰の山裾を利用した、上下二段の石組みの見事な庭園で、
般若寺型石燈籠が有名です。
が、
椿の写真ばかりで、庭の写真が撮れていませんでした・・・。






庭には、【後水尾天皇】遺愛の「日光椿(じっこうつばき):京都府指定天然記念物」をはじめ、散椿、白牡丹椿、舞鶴椿など30種以上の名椿が植えられています。

また、秋に見事な紅葉をみせてくれる樹齢350年を越えるとも言われる「霊鑑寺楓」も忘れてはいけませんね。


書院(京都市指定文化財)と寺宝


江戸初期、第111代【後西(ごさい)天皇】の院御所から移築した建物。
は【狩野永徳】【狩野元信】【円山応挙】の筆と伝わる「四季花鳥図」等の襖絵等や
香炉、掛け軸、御所人形・貝あわせ等の皇室ゆかりの品をみることができる。


拝観案内(通常非公開)



春の特別公開


2020年3月20日(金・祝)〜4月5月(日)
時間
10:00~16:30(16:00受付終了)
料金
大人600円/小学生300円
※15名以上の団体は1割引(大人540円/小学生270円)


冬の特別公開

2019年は、

2019年11月16日(土)~12月1日(日)でした。


関連記事




2019年11月17日日曜日

南禅寺『天授庵』|南禅寺の開山塔

南禅寺『天授庵』ー その見事な庭は・・・

『天授庵』は、臨済宗南禅寺派大本山『南禅寺』の開山塔であり塔頭寺院です。
細川家の菩提寺でもあります。そう、第79代内閣総理大臣【細川 護熙・ほそかわもりひろ】さんの肥後熊本藩主の細川家の菩提寺です。

場所は『南禅寺』を入ってすぐ南側、山門と並ぶような位置にありますが、人の出入りはは特別な時期を除けば多くなく穴場と言えるのではないでしょうか。

『天授庵』は塔頭寺院ですが、お参りと言うより、庭園を拝見するという感じで、本堂へ上がったり、お参りなどは行えません。御朱印もありません。

どの季節も美しいですが、特に秋の紅葉時期は、深い紅葉のコントラストがえも言われず美しいのです。

また、個人的には、境内が濡れている時が、最も美しい時ではないかと思います。小雨、雨あがり、霧などで、苔、石、木の橋がしっとり濡れ、色鮮やかな時が、お庭が一番輝く時ではないかと思います。

『南禅寺』へお越しの際は、是非、行ってみてくださいね。


『天授庵』ってどんなお寺



基本情報


📗 創建は
南北朝時代の1339暦応2年(約680年前)

📗 開基は
鎌倉後期~南北朝時代、南禅寺住持 15世【虎関師錬・こかんしれん(本覚国師)】

📗 どのようにして建立に至ったか
南禅寺15世【虎関師錬・こかんしれん(本覚国師)】が、『南禅寺』境内に開山である【無関普門(大明国師)】の塔所が無い事に心を痛め、【光厳上皇】より勅許を得て南禅寺の開山塔として建立

📗 建立後
1447文安4年、大火により焼失、その後応仁の乱でも戦火に見舞われ、荒廃。
1602慶長7【細川幽斎】の寄進により復興し現在に至る。(約415年前)



境内



庭園

「本堂前庭(東庭)」の枯山水庭園と、「書院南庭(南庭)」の池泉回遊式庭園からなる庭園は、素晴らしく、是非見て頂きたい庭園です。


📗 本堂前庭(東庭)


幾何学模様の細い石畳の上を行くと、突然視界が広がり、本堂前庭の見事な枯山水庭園が広がります。


基本的には、鎌倉末期から南北朝時代の特徴をもつ、創建当初に作庭された庭と言われています。




📗 書院南庭(南庭)

鎌倉末期から南北朝時代の特徴を持つ池泉回遊式庭園で、創建当時の作庭と思われますが、東方築山のあたりや、蓬莱島に石橋などには、明治初期に手が入った様子がうかがえます。






本堂(非公開)



📗 建物
【細川幽斎】再興時の建造物であり、屋根は「杮皮葺屋根」。

📗 建物内部
中央には、開山【無関普門(大明国師)】木造を配し、
細川家歴代のご位牌所があります。



寺宝(基本非公開)


📗 本堂内部の襖絵(重要文化財)

【長谷川等伯】の描いた32面の襖絵は晩年の傑作と言われる。

中央の室[禅宗祖師図
上間[高士騎馿図]
下間[松鶴図]商山四皓図

📗 その他、重要文化財

・[絹本着色無関普門像
  開山【無関普門(大明国師)】自讃の肖像は唯一これだけと言われる。
・[紙本墨画淡彩 聖一国師像
・[絹本着色 平田慈均像 2幅
・[絹本着色 細川幽斎夫妻像 2幅
・[九条袈裟 無関普門所用と伝わる九条袈裟と言われる



お墓


【細川幽斎】夫妻の墓、他細川家の墓多数
【梁川星巌夫妻】の墓:幕末勤王詩人
【横井小楠】の墓:学者で維新政府の参議
【村上作夫】【堀江純吉】の墓:京都新聞創刊の功労者



アクセス・所在地等



所在地等


京都市左京区南禅寺福地町86-8
075-771-0744
拝観料 500円
参拝場所 無
御朱印 無


アクセス


京都市バス「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」徒歩約10分
市営地下鉄「蹴上駅」徒歩約10分
・南禅寺入って右側、お手洗いの前の水路沿いにあります。


2019年11月14日木曜日

2019/11/13 『南禅寺』私見”紅葉レポート”

2019年12、13日の『南禅寺』の紅葉の様子


皆さんご存知の通り、
”もみじ”は、日当たりの良い所から赤くなります。

現在の『南禅寺』の境内は、

陽の当たる樹々はだんだん赤く、
陽当たりの悪い樹々はまだ濃い緑で、
結果、とても美しいグラデーションを観ることが出来ます。



そして、

南禅寺塔頭 『天授庵』

2019/11/13日時点で東庭は見頃でした。この季節訪れるべきお寺です。
南禅寺境内のもみじが色づいて来たら、『天授庵』のもみじも色づいています。
お庭は2つ。本堂前庭(東庭)の枯山水庭園と、書院南庭(南庭)の池泉回遊式庭園です。
ただし、11月中旬では、東庭の紅葉は見事ですが、南庭のもみじはばらつきがあり、池にかかるもみじをはじめ、まだまだ濃い緑のもみじも多く見られました。南庭全体としては色づいて来たところと言う感じでした。
東庭

南庭

京都市左京区南禅寺福地町86-8
075-771-0744
拝観料 500円
参拝場所 無
御朱印 無
・南禅寺入って右側、お手洗いの前の水路沿いにあります。


国の特別名勝である、南禅寺塔頭 『金地院(こんちいん)の金地院庭園』

こちらのお庭は、素晴らしいお庭で、穴場だとは思いますが、
紅葉に関して言うと・・・もみじは少ないかな・・・もしかすると入口にあるくらいかも・・・
限りあるお小遣いで京都観光をするとすると、
やはりこの季節は紅葉をたくさんみたいので、『金地院庭園』は別の季節に訪れるのが良いかなと、個人的には思います。

京都府京都市左京区南禅寺福地町86-12
075-771-3511
・南禅寺から地下鉄「蹴上」駅へ向かう小道へ入ってすぐ。
拝観料:400円


南禅寺『大寧軒』庭園


たくさんの方からの要望があり、『秋の特別公開』が始められた『大寧軒』庭園。


『金地院』の隣にあり、『金地院』と対照的に道からでも紅葉のわかる庭です。

しかし、ここ、お寺ではありません。
その昔、ここには南禅寺塔頭『大寧』がありましたが、明治の廃仏毀釈により廃寺となり紆余曲折の後、現在は「南禅寺」所有の庭園です。

明治中頃に作庭され、その後に藪内家11代目【透月斎竹窓】によって改修されたと言われています。
紅葉のとても綺麗な、茶室のある見事な[池泉回遊式庭園]で、たくさんの手水に豊富な水を感じるお庭です。

京都府京都市左京区南禅寺福地町44
075-771-0365
拝観料:500円
御朱印:無
南禅寺から地下鉄「蹴上」駅へ向かう小道へ入ってすぐ金地院』の隣。





国の名勝・京都三名勝史跡庭園 南禅寺塔頭 『南禅院の南禅院庭園』


こちらのお庭は小さいけれど、穴場であり素敵ですが、山の麓で陽当たりの良い場所も少ない為か、紅葉は遅くなります。2019年は11月13日の時点では、ほとんど紅葉していませんでした。11月下旬もしくは12月上旬の方が良いかもしれません。
拝観受付で確認する事をおすすめします。

京都市左京区南禅寺風呂山町86
拝観料:300円
御朱印 無
・水路閣の向こうの階段上


周辺記事


穴場?の京都観光│ 『金戒光明寺』『真如堂』から『吉田神社』
『茂庵・MO-AN』│ 吉田山の山頂に


アクセス


南禅寺
臨済宗南禅寺派宗務本所
京都市左京区南禅寺福地町

075-771-0365
http://www.nanzen.net/index.html

京都市バス「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」徒歩約10分
市営地下鉄「蹴上駅」徒歩約10分




2019年10月18日金曜日

『修学院離宮』│ 紅葉の前の収穫の季節に

2019・10・17 参観、行って来た~

秋の紅葉には少し早いこの時期。もちろん、来月も紅葉を見に行きますが、行って来ました。

感想から申しますと、もうこれは予想以上に、
景色でした❗

田んぼでは”はせ掛け”の光景を見る事ができました。
たちは収穫を目当てに集まっているらしく、
林の中では、うるさいくらいの鳥の声を 聞くことができました。
松並木の松は、葉を落とす前のなかなか見れない程にこんもりした姿で、
池にはの花は無いものの、葉は緑を残し、
台風直後だった事もあり、はみずみずしく青く
期待以上にいえ、驚くほどに素晴らしい景色でした。

下離宮



入場


入ってすぐの景色。いきなり、色づいた景色をおみまいされました。
深い緑も美しい。


参観者休所



参観受付をすませたら、まずは”参観者休所”へ向かいます。
”参観者休所”には、椅子があり、修学院離宮の案内ビデオが流れています。
お土産も売っていますし、ロッカーとお手洗いもあります。

これからたくさん歩きますからね、約1Hのハイキングです。
お手洗いはありませんからね、

お手洗いを済ませ、ロッカーに荷物を預けます。
ロッカーは100円ですが、後で戻ってきますよ。

時間になると、案内のお姉さんについて、まずは「中離宮」を目指します。

あ、案内はお姉さんとは限りません。
おじさんだったり、お兄さんだったりもしますよ。
人によっても、その日によっても案内が違い、
『修学院離宮』のガイドさんの知識の深さを 実力を 感じる事ができます。
お寺などは、ガイドが誰でも、同じ説明だったりしますからね、
『修学院離宮』や『桂離宮』はね、ちょっとね、他とは違いますよね😤




寿月観・じゅげつかん



板戸の「御幸門・みゆきもん」です。



「御幸門」を入ると、視界が広がります。キレイです。

道を進むと、階段の左側に「寿月観」が見えて来ました。
【後水尾上皇】は仙洞御所から来られて、中、上離宮へ行く前に、まずお休みになる場所だったのですね。ま、創建当初の建物ではありませんが、簡素ながらに品のある建物です。

【後水尾上皇】宸筆の扁額です。↓

さあ、「寿月観」で一休みしましたからね、ここから歩きますよ~


中離宮



中離宮へ

こんもりした、背の低い松並木の中をすすみます。
この松並木は、明治になってから植えられたものだそうです。






楽只軒・らくしけん


「楽只軒」と「客殿」は廊下でつながっています。
この写真は「楽只軒の庭」です。しっとりとしたお庭です。






客殿


ここは「東福門院」の女院御所の奥対面所を 死後移築した建物です。
素敵な書院造りですね。


「霞棚」や「襖」、「杉戸」に華やかさを感じます。


🚩 日本三大名棚の一つ「霞棚」

本当にたなびく雲のようで、ため息がでるような5段の棚ですね・・・
素敵です。
襖も華やかです。


『桂離宮』の「桂棚」、『醍醐寺 三宝院』の「醍醐棚」とともに日本三大名棚の一つです。

🚩 網だけ円山応挙

遠すぎてわかりにくいのですが、この杉戸は表も裏も”鯉”が描かれています。
そして”鯉”の前には”網”が・・・
この杉戸絵、網だけは【円山応挙】なのです。

”鯉”があまりに美しく生き生きとしていているので、杉戸から飛び出してしまわないようにと、【円山応挙】を読んで網を描いてもらったのだとか、、、
”鯉”の作者は不明・・・😅





上離宮



上離宮へ


上離宮へ向かう道。ゆるやかな坂道ですが、結構大変です。
田園風景に癒されながら、がんばって歩きます。 



稲の”はせ掛け”です。懐かしい~。

高い刈込で景色が見えなくなりましたよ。わざと目隠しされていますね。
「上離宮」もうすぐです!



隣雲亭(りんうんてい)の縁側に座って


高い刈込を抜けると、見て下さい、この景色!

素晴らしいです。角度をかえると京都の街が一望です。
そして足元に広がる池、
これははまた、何と言う解放感でしょう、
龍も水浴びに来ますよね!

そして、写真ではわかりませんが、池の向こうには大刈込が、

気が付くと、『隣雲亭』の縁側に腰かけて、景色に見とれ、
景色の写真をとるばかりで、『隣雲亭』の写真はすっかり取り忘れてしまいました。
とほほ、、、

建物の写真は見事に1枚も無いのに、
なぜか縁側の前の「一二三石(ひふみいし)」の写真は1枚↓

 一休憩したら次へ


窮邃亭・きゅうすいてい


窓の前の、一段高くなったところに座りたい。
ここに来るたびにそう思うが、もちろん入れはしない。残念。


ここが、『修学院離宮』の一番高い所、
このあとは「浴龍池」を左にみながら下って行きますよ。

池に鷺や鴨を見ながら、下ると、
気持ちもからだも、クール ダウン~
出口に着く頃には、満足感にひたれます。

紅葉の季節ではありませんでしたが、素晴らしい景色でした。

案内してくれたお姉さんに、お礼を言って退散です!


基本情報・アクセス・周辺記事



基本情報


修学院離宮

住所:京都府京都市左京区修学院藪添
問合せ先:京都事務所 075-211-1215

参観料:無料(桂離宮は有料化されましたが、修学院離宮はまだ無料です。)
参観方法 ↓
https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/shugakuinrikyu.html



アクセス


叡山電鉄 「修学院駅」徒歩約20分

市バス 「修学院離宮道」徒歩約15分   

結構遠く感じます。
川沿いを住宅街の中を上がっていきます。
ずっとちんたら坂なのです。
もちろん”おばちゃりだー”は毎回自転車です。
きついですけどね、頑張ってます!           


周辺記事等

 
『修学院離宮』の近くには『赤山禅院』『曼殊院』『詩仙堂』『圓光寺』等がありますよ。是非かさねてお参りしてくださ~い💖

『赤山禅院』では、運がよければ【大阿闍梨】によるお加持が受けられるかも。
また『圓光寺』はまだまだ穴場だと思います。                                     

『修学院離宮』ー『秋の京都は紅葉だらけ』穴場・節約編 東山36峰麓のライン
『京都の穴場編』―東山36峰麓のライン―『圓光寺・エンコウジ』   

2019年6月23日日曜日

世界遺産 西芳寺・サイホウジ(通称 苔寺) │ この庭はなぜ人々を魅了するのか

6月だ!『西芳寺』へ参拝するぞぉー💨


「古都京都の世界文化遺産」17か所の内の一つであり、『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に、また「湘南亭2棟」と「絹本著色夢窓疎石像」は国の「重要文化財」に指定される寺院です。

以前は『天龍寺』の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗の単立寺院となっています。

創建は奈良時代、1300年ほども遡る。
幾度もの荒廃再興を繰り返し今、人々を魅了する。

【大佛次郎】の小説『帰郷』にも色を添え、
Appleを創業した 故スティーブジョブスも度々訪れたと言う

120余種の苔が織りなすこの庭は、なぜこれほどまでに人々を魅了するのか~💖


西芳寺 マンジュウ苔(白苔)
西芳寺 マンジュウ苔(白苔)


「どんなお寺なのか行ってみたいな~」っと、誰しもが思うと思うのですが、『西芳寺』への参拝には「事前申込」が必要ですからね。往復はがきに希望日を記載送付し、返送された「参拝証」を持って指定された時間に参拝します。また、参拝には「写経」もセットとなっております。ちょっと手間暇かかるのです。


📗『西芳寺』へ「往復はがき」で事前申込をしよう

■『西芳寺』を参拝するには、往復はがきによる事前申込が必要

世界中から参拝者の訪れる『西芳寺』。以前は普通に参拝ができましたが、庭園ブームなどにより参拝者が年々多くなる中、観光公害が生じ、色々対策を行ってみたものの解決することができなかった為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

■基本参拝は中学生以上

参拝は中学生以上。小学生以下の参拝は通常は行えません。が、
年に数回お子さま中心の参拝を行う予定であり、日程等は、決まり次第HP上で案内していただける由。

■事前申込受付期間

事前申込の往復はがきは、参拝希望日の2ヶ月前から、遅くとも1週間前に必着する必要があります。ただし、申込多数や法要等の都合により、希望に添えない場合もあります。

■申込方法:往復はがきの書き方

・送付先

〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ヶ谷町56
西芳寺参拝係 宛

・送付先裏面

「参拝希望日(複数日可)」「総人数」「代表者の住所・氏名・電話番号」

・返信先

「代表者の住所・氏名」

返信先裏面

白紙で送付します。


■返送されてくる「参拝証」

往復はがきを送付すると「参拝証」が返送されてきます。👇
この「参拝証」は持参が必要ですので失くさないで~💦


記載されていることは、

・参拝日時
・拝観料(冥加料)一人3000円以上
・写経用の筆・筆ペンの持参要

です。さあ、このはがきがくれば後はわくわく待つのみです😁

・問合わせ先等

『西芳寺』 TEL: 075-391-3631
『西芳寺』事前申込についてのページ↓
http://saihoji-kokedera.com/reservation.html

📗 自転車で『西芳寺』を目指す!

梅雨時にと思って「事前申込」をしたのに・・・
な・な・なんと晴れが続いて3日目、雨はどうした~❕と言っても降りそうにないし、これはこれ、晴れている事に感謝し、自転車で『西芳寺』を目指しました💦


今回の自転車ルートは

『西芳寺』へは四条通をひたすら西へ、桂川にかかる「松尾橋」を渡り『松尾大社』の前を過ぎ、物集街道(モズメカイドウ)を南下、400~500m地点に茶色の歩道橋が見えたら右折、あとはまっすぐ。同じ道沿いに『鈴虫寺』『竹の寺』そしてその先に『西芳寺』があります。

自転車は橋を渡った右側(東側)、入口(門)の前に駐輪させていただけました。
ゆる~~~い登りの道でした。


気を付けよう

『西芳寺』は静かな場所にあります。中にも外にも飲み物の自動販売機はございません。
開門を待っているだけでも喉が渇いてきますし、寺に入り写経し、お庭を拝見するとなると所要時間は2時間。飲み物は必ず持参される事をおすすめします。
境内に抹茶のサービス等もありませんよ~。



📗 いよいよ『西芳寺』へ

開門時間を待つ

開門時間まで、門前の橋の上に並び待っている方、目の前のCafé?で待たれる方、また、木陰で待たれる方など様々でした。ジュースの自動販売機等はありませんでしたが、目の前のCaféの方が、籠にジュースを入れて売りに来られていました。NICE💖

30分前になると門が開き、「参拝証」を持った方、団体の方の順で門をくぐります。


受付


左手側本堂の前を通り過ぎ、宗務所から靴を脱ぎ、受付を行います。
西芳寺 本堂(西来堂・さいらいどう)


「参拝証」を渡し”冥加金(一人3000円以上)”を納めます。”冥加金”は包んで来られている方は少なく、殆どの方はお金を裸のまま納めていました。

”ご朱印”の受付場所は参拝受付と並んでありますので、本堂へ入る前に”ご朱印帳”は預けるのが良いでしょう。志納料はご朱印帳を受取る時に納めました。


📗 『西芳寺』の「本堂」で写経

「本堂(西来堂・さいらいどう)」へ

受付を済ませたら、本堂で写経です。時間まで船底天井の渡り廊下と受付前で待機します。椅子も用意されていましたよ。

時間になると、係の方から注意事項の説明を受け、本堂へ入ります。
この日もYOU数名を含めかなり多くの人が参拝こられていました。平日でしたが100名は下らなかったと思います。

平均年齢は高め、50歳は超えるかと・・・一番若いと思ったのは、女性YOU2人組で20代とおみかけしました。


本堂について

本堂は1969昭和44 【京都大学名誉教授 村田治郎】の設計・監督により再建された建物です。


本堂に入ると、ご本尊の「阿弥陀如来」さまを中央に写経の為の机が並び、2種類の襖絵が目に飛び込んで来ます。特に正面の襖絵は金地に朱、ピンクやブルー、青、グリーン等でかわいい模様が描かれ明るい印象のもので【堂本印象】の作品です。


「写経」について

・写経した文字
「延命十句観音経/観世音 南無佛/与佛有因 与佛有縁/佛法僧縁 常楽我浄/朝年観世音 暮年観世音/念念従心起 念念不離心」

そして、お願い事、氏名・住所を記入し納経します。


「写経用の筆ペン又は細筆をご持参ください。」
と”参拝証”に記載がありますが、2019年6月に行った時は、「写経」用の席に「硯」と「墨」と「細筆」が用意されていました。が、細筆が必ず用意されている保証はありませんので、やはり持参した方が安心ですね。

「墨が置かれていますが調子に乗ってすらないで!」
「硯」には既に墨汁が入っており、濃さも問題ないと思います。
”おばちゃりだー”は調子にのって墨をすりすりしてしまい、気が付くと墨が濃くなり粘りが出てしまい、薄める水があろう筈もなく、結果書き辛かったです。

・「椅子席あり」
正座が難しい人用に椅子席の用意もありました。数え忘れましたが30~40くらいはあったのではないかと思います。”おばちゃりだー”は体重もあり正座は苦手なのですが、正座席でがんばりました。

「身だしなみには気をつけよう」
”おばちゃりだー”が座った席ではかすかに足の匂いがしていました。ひぇ~💦
誰だ~!くれぐれも他の参拝者の方に迷惑をかけないよう、足が匂う方は替えの靴下を持参するとか、椅子席に座るとかちょっぴり気を付けましょう。正座は足の裏が近いのですからね❕(足は崩しても問題ありませんが、近いのはかわりません❗)

「歩く振動や気配が気になります。席は選んだほうが良いかも」
写経が終わった人から、納経、参拝、そしてお庭拝見となります。
写経が終わった人は、主に庭側の通路を歩きますので、正座していると歩く振動や音がダイレクトに伝わりますし、手が遅いとそれに加えて焦りまで出てきて落ち着かなくなります。できれば通路に近くない席や後ろに近い席に着席した方が集中できるかもです。

・「感想」
不思議と文鎮を落とす方が多くてちょっと「ほっこり」しました。文鎮はなぜ落ちるのか❔ 理由はわかりませんが、何人もの方が落とされていました。ほっこりですね。


📗 いざ『西芳寺庭園』へ

『西芳寺庭園』について
『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に指定され、『金閣寺庭園』や『銀閣寺庭園』のモデルになったと言われる名庭です。

荒廃、再興を繰り返したお寺ですが、上段には中興【夢窓疎石】石組みを見る事ができます。また、下段の池泉回遊式庭園を埋め尽くす120余種の苔の絨毯にはため息が出ますが、実はこの苔、覆われたのは江戸末期。荒廃、再興を繰り返し、谷間と言う土地柄洪水の被害にもあったこの庭はいつしか苔に覆われていたそうです。そしてその後も廃仏毀釈等、紆余曲折を経て1928年より庭園が一般公開されるようになり、その後、観光被害を避ける為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

休憩所から庭へのアプローチ

「写経」と「参拝」を済ませていざ『西芳寺庭園』へ、
右側の建物は休憩所で奥に手水があります。写経を終えてまずは一休み、一休み。

西芳寺 休憩所

西芳寺 休憩所 手水

庭へ入っていきますよ~。庭入口までのアプローチ部分の苔は青々とふかふかでした。
しっとりはしていませんでしたけどね、晴れ続きですからね。

下段 池泉廻遊式庭園


上下二段に分かれている庭園です。まずは下段黄金池を中心にした池泉廻遊式庭園から。
まずは、「湘南亭」に向かいます。

こちらが幕末に【岩倉具視】が隠棲していた重要文化財「湘南亭」です。
【千利休】の次男【千少庵】によって建てられました。
西芳寺 湘南亭
北に張り出した月見台が特徴です。

「黄金池(心字池)」



庭師の方が苔の上に落ちた木の葉を集めておられました。

おおおお~、見た目は少しグロテスクですが、あまりおめにかからないほど広い面積に「マンジュウ苔(白苔)」が・・・




上段 枯山水の原点、【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組

上段へ向かいます(この階段は上から撮影したものです)


階段を上がりきると、開山堂「指東庵・シトウアン」があります。(写真はございません。トホホ)
お堂には、開山【行基菩薩】、平安初期草庵を結び修行をした眞如法親王】、中興の祖【夢窓國師】の御位牌。
室町時代の松尾大社宮司で【夢窓疎石】を招請した藤原親秀(チカヒデ)夫妻】と【夢窓國師】の木像が祀られています。


開山堂「指東庵・シトウアン」お参りして、先へ進みましょう❗
おおーっと、ついついお参りすると左側へ進みそうになるのですが、ちょっと待って下さい❗

大変わかりにくいのですが、開山堂「指東庵・シトウアン」の向って右側に【夢窓疎石】の枯山水の石組みがあるのですよ。

ここ、気が付かない方もいらっしゃると思います。隠れてますからね、お堂の影に、わかりにくいですからね、かなり😓

1339暦応2【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組です

見ると、水の落ちる様が見えるような、そんな石組です。



枯山水の前で一休みし、

階段を下り、

庭を出て、休憩所に戻り一休み、一休み。

あ、そうそう、開山堂近くに【夢窓疎石】が坐禅をしたと伝わる1mくらい(3尺)の「坐禅石」がありますのでさがして下さいね。”おばちゃりだー”は見たような気はするのですが、「坐禅石」失念していて通り過ぎてしまいました・・・😢


昨年の台風の傷跡も痛々しく、本来あるべき枝がなくなることで差し込む陽は苔にも影響を与えるでしょうし、お伺いすると、他にも暑い夏の影響も出てきているそうです。


そう言えば以前「桂離宮」で住宅が増える事で土地が乾燥してくる事も影響するとお聞きしたことがあります。

自然はデリケートですね。
がんばって下さい「庭師」さん💖 いつまでも美しい苔がみられますように。

📗 『西芳寺』基本情報

正式名称: 洪隠山 西芳寺 /通称「苔寺」

以前は天龍寺の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗単立寺院。

創建:聖徳太子の別荘があった地に、【聖武天皇】の詔により約1,300年前の奈良時代に【行基】が開山

本尊:阿弥陀如来

開山:【行基】

中興開山:【夢窓国師・夢窓疎石】



📗 アクセス

・車
駐車場無し。周辺にコインパーキング有。ただし時期によっては混雑する為、公共交通機関の利用を推奨。
車で行かれる場合の道順は、上に書きました「自転車で『西芳寺』を目指す!」や地図を参考にしてください。

・電車
阪急嵐山線「上桂駅」駅より徒歩約15~20分
阪急嵐山線「松尾駅」駅より徒歩約15~20分

・バス
京都バス(73・63)「苔寺・すず虫寺」下車徒歩約3~5分
京都市バス(29)「鈴虫寺・苔寺道」下車徒歩10~15分