2019年6月29日土曜日

夏越しの祓・なごしのはらえ(はらい) │ 茅の輪くぐりいたしましょ

6月30日は「夏越しの祓」



6月30日に京都を歩くと、多くの神社で人々が”茅の輪(ちのわ)”をくぐる光景を目にします。






これは「茅の輪くぐり」と言って「夏越しの祓」の行事の一つで、”茅の輪”をくぐる事で半年分の心身の穢れや罪、過ちを祓い清め、この後半年の健康と厄除けを祈願するもので、誰でも参加できます見かけたら。みかけたら是非くぐってみて下さいね。


京都以外の神社でも行われている行事だとは思うのですが、京都に来て「はじめて見た」と言われる方が多いように思います。”私も”・・・です。

ちょっと知って、ありがたく”茅の輪くぐり”いたしましょ💖


📘まず「夏越しの祓」って


今の時代、あまり知られている行事ではありませんが、もとは神話にある【伊弉諾尊(いざなぎのみこと)】が行った禊祓(みそぎはらい)にはじまると言われ、一度廃絶するも古来より年に2度、6月30日と12月31日に宮中祭祀や多くの神社の行事として、半年分の心身の穢れや罪、過ちを祓い清め、その後半年の健康と厄除けを祈願する大祓(おおはらえ・おおはらい)が行われています。
 そして6月の「大祓」を「夏越(名越)しの祓」と言います。
あ、季語にもなっていますよ、例えば、
百人一首の第98番、
「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ 夏の しるしなりける 藤原家隆」
これは、「上賀茂神社」の「夏越大祓」を情景を詠んだもので、古くから行われていた行事である事がわかりますね。

📘「夏越しの祓」にはどんな行事があるのでしょう

宮中祭祀  「大祓」

6月30日に「神嘉殿」の前で、皇族や国民のために行われるお祓いの行事です。掌典長(しょうてんちょう)と言う宮中祭祀を司る長が祭典を行い、天皇陛下がご拝礼になります。
知りませんでした~😆

神社で行われる「夏越しの祓」行事

<大祓式>

神社で神事として半年分の心身の穢れや罪、過ちを祓い清め、その後半年の健康と厄除けを祈願されます。

<茅の輪くぐり>

神社の鳥居や参道に、人が通れる直径をもった”茅の輪”を作り、この”茅の輪”を「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」等と唱えながら、左回り、右回り、そして左に八の字を描くように”茅の輪”を3回潜り、半年間たまった穢れを祓い新しい半年を無病息災に過ごせるようにと祈ります。
※唱える歌は、神社によって若干違ったり、潜る度に違ったりすることもありますので、「茅の輪くぐり」を行う神社の立て看板等で確認してください。

<人形(ひとがた)による行事>

人形代(ひとかたしろ)に自分の名前や年齢などを書き、
息を吹きかけたりして、心身の穢れや罪、過ちを人形に移し、神社に納め、川等に流したり、焚き上げたりして清めて頂きます。
遠方の方でも人形を送る事が出来る神社もありますよ。

あ、車の形代もあったりします💦



「夏越しの祓」家庭に伝わる風習は

京都では「水無月・みなづき」と言う和菓子を頂きます。





このお菓子は、1~2cmの白の”外郎(ういろう)”の生地に(他の色もありますが)、上一面に”小豆”をのせ、三角形に切った和菓子です。
白の”外郎”を暑気をはらう氷に見立て、その上に悪霊を祓うと言われる”小豆”を乗せたお菓子で、いつも売られていますが、特に6月30日に食べる和菓子とされています。

📘どこの神社に行けばよいの「夏越しの祓」って

京都の町を歩き、神社を覗いてみると、多くの神社に”茅の輪”が建てられています。「茅の輪くぐり」は”茅の輪”が建てられている神社で潜る事ができます。くぐり方等は”茅の輪”の前に看板が立てられていますので確認して下さい。

「人形流し」等の行事については神社により行事や時間が異なりますので、ホームページや電話での確認が必要です。

では幾つかの神社の行事をご紹介します。


上賀茂神社

「茅の輪くぐり」6月10日~
「人形(ひとがた)流し」 6月30日(日) 20:00~


また新鮮夏野菜市「夏越市」や「厄除け豆腐」等が振舞われます。

〒603-8047 京都市北区上賀茂本山339番地

075-781-0011/ 8:30〜17:00



北野天満宮

6月30日 16:00からの「夏越しの大祓式」「茅の輪くぐり」ができます。が17:00か18:00くらいまでなのでお越しの際は注意して下さい。

「人形神事」の人形代や車形代の受付は、「夏越しの大祓式」の前まで行われます。

〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
075-461-0005



城南宮

「茅の輪くぐり・人形流し」
 6月25日~30日 9:00~16:00

「夏越の祓」6月30日 15:00 

京都市伏見区中島鳥羽離宮町7番地
075-623-0846

平安神宮


「茅の輪くぐり」 6月16日頃から設置されており潜ることができます。

「夏越の大祓式」 6月30日 16:00~

「大茅の輪(おおちのわ)」をくぐり、全員で『大祓詞(おおはらえのことば)』を唱和します。

※人形代の受付けもあります。

📘さいごに

この時期に京都に来られたのであれば、是非穢れを落として綺麗な身体でお帰り下さいね。

それに”茅の輪”は見ているだけでもご利益ありそうですが、神社により大きさや太さが違うんです。
見比べてみるのも楽しいですよ。

2019年6月23日日曜日

世界遺産 西芳寺・サイホウジ(通称 苔寺) │ この庭はなぜ人々を魅了するのか

6月だ!『西芳寺』へ参拝するぞぉー💨


「古都京都の世界文化遺産」17か所の内の一つであり、『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に、また「湘南亭2棟」と「絹本著色夢窓疎石像」は国の「重要文化財」に指定される寺院です。

以前は『天龍寺』の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗の単立寺院となっています。

創建は奈良時代、1300年ほども遡る。
幾度もの荒廃再興を繰り返し今、人々を魅了する。

【大佛次郎】の小説『帰郷』にも色を添え、
Appleを創業した 故スティーブジョブスも度々訪れたと言う

120余種の苔が織りなすこの庭は、なぜこれほどまでに人々を魅了するのか~💖


西芳寺 マンジュウ苔(白苔)
西芳寺 マンジュウ苔(白苔)


「どんなお寺なのか行ってみたいな~」っと、誰しもが思うと思うのですが、『西芳寺』への参拝には「事前申込」が必要ですからね。往復はがきに希望日を記載送付し、返送された「参拝証」を持って指定された時間に参拝します。また、参拝には「写経」もセットとなっております。ちょっと手間暇かかるのです。


📗『西芳寺』へ「往復はがき」で事前申込をしよう

■『西芳寺』を参拝するには、往復はがきによる事前申込が必要

世界中から参拝者の訪れる『西芳寺』。以前は普通に参拝ができましたが、庭園ブームなどにより参拝者が年々多くなる中、観光公害が生じ、色々対策を行ってみたものの解決することができなかった為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

■基本参拝は中学生以上

参拝は中学生以上。小学生以下の参拝は通常は行えません。が、
年に数回お子さま中心の参拝を行う予定であり、日程等は、決まり次第HP上で案内していただける由。

■事前申込受付期間

事前申込の往復はがきは、参拝希望日の2ヶ月前から、遅くとも1週間前に必着する必要があります。ただし、申込多数や法要等の都合により、希望に添えない場合もあります。

■申込方法:往復はがきの書き方

・送付先

〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ヶ谷町56
西芳寺参拝係 宛

・送付先裏面

「参拝希望日(複数日可)」「総人数」「代表者の住所・氏名・電話番号」

・返信先

「代表者の住所・氏名」

返信先裏面

白紙で送付します。


■返送されてくる「参拝証」

往復はがきを送付すると「参拝証」が返送されてきます。👇
この「参拝証」は持参が必要ですので失くさないで~💦


記載されていることは、

・参拝日時
・拝観料(冥加料)一人3000円以上
・写経用の筆・筆ペンの持参要

です。さあ、このはがきがくれば後はわくわく待つのみです😁

・問合わせ先等

『西芳寺』 TEL: 075-391-3631
『西芳寺』事前申込についてのページ↓
http://saihoji-kokedera.com/reservation.html

📗 自転車で『西芳寺』を目指す!

梅雨時にと思って「事前申込」をしたのに・・・
な・な・なんと晴れが続いて3日目、雨はどうした~❕と言っても降りそうにないし、これはこれ、晴れている事に感謝し、自転車で『西芳寺』を目指しました💦


今回の自転車ルートは

『西芳寺』へは四条通をひたすら西へ、桂川にかかる「松尾橋」を渡り『松尾大社』の前を過ぎ、物集街道(モズメカイドウ)を南下、400~500m地点に茶色の歩道橋が見えたら右折、あとはまっすぐ。同じ道沿いに『鈴虫寺』『竹の寺』そしてその先に『西芳寺』があります。

自転車は橋を渡った右側(東側)、入口(門)の前に駐輪させていただけました。
ゆる~~~い登りの道でした。


気を付けよう

『西芳寺』は静かな場所にあります。中にも外にも飲み物の自動販売機はございません。
開門を待っているだけでも喉が渇いてきますし、寺に入り写経し、お庭を拝見するとなると所要時間は2時間。飲み物は必ず持参される事をおすすめします。
境内に抹茶のサービス等もありませんよ~。



📗 いよいよ『西芳寺』へ

開門時間を待つ

開門時間まで、門前の橋の上に並び待っている方、目の前のCafé?で待たれる方、また、木陰で待たれる方など様々でした。ジュースの自動販売機等はありませんでしたが、目の前のCaféの方が、籠にジュースを入れて売りに来られていました。NICE💖

30分前になると門が開き、「参拝証」を持った方、団体の方の順で門をくぐります。


受付


左手側本堂の前を通り過ぎ、宗務所から靴を脱ぎ、受付を行います。
西芳寺 本堂(西来堂・さいらいどう)


「参拝証」を渡し”冥加金(一人3000円以上)”を納めます。”冥加金”は包んで来られている方は少なく、殆どの方はお金を裸のまま納めていました。

”ご朱印”の受付場所は参拝受付と並んでありますので、本堂へ入る前に”ご朱印帳”は預けるのが良いでしょう。志納料はご朱印帳を受取る時に納めました。


📗 『西芳寺』の「本堂」で写経

「本堂(西来堂・さいらいどう)」へ

受付を済ませたら、本堂で写経です。時間まで船底天井の渡り廊下と受付前で待機します。椅子も用意されていましたよ。

時間になると、係の方から注意事項の説明を受け、本堂へ入ります。
この日もYOU数名を含めかなり多くの人が参拝こられていました。平日でしたが100名は下らなかったと思います。

平均年齢は高め、50歳は超えるかと・・・一番若いと思ったのは、女性YOU2人組で20代とおみかけしました。


本堂について

本堂は1969昭和44 【京都大学名誉教授 村田治郎】の設計・監督により再建された建物です。


本堂に入ると、ご本尊の「阿弥陀如来」さまを中央に写経の為の机が並び、2種類の襖絵が目に飛び込んで来ます。特に正面の襖絵は金地に朱、ピンクやブルー、青、グリーン等でかわいい模様が描かれ明るい印象のもので【堂本印象】の作品です。


「写経」について

・写経した文字
「延命十句観音経/観世音 南無佛/与佛有因 与佛有縁/佛法僧縁 常楽我浄/朝年観世音 暮年観世音/念念従心起 念念不離心」

そして、お願い事、氏名・住所を記入し納経します。


「写経用の筆ペン又は細筆をご持参ください。」
と”参拝証”に記載がありますが、2019年6月に行った時は、「写経」用の席に「硯」と「墨」と「細筆」が用意されていました。が、細筆が必ず用意されている保証はありませんので、やはり持参した方が安心ですね。

「墨が置かれていますが調子に乗ってすらないで!」
「硯」には既に墨汁が入っており、濃さも問題ないと思います。
”おばちゃりだー”は調子にのって墨をすりすりしてしまい、気が付くと墨が濃くなり粘りが出てしまい、薄める水があろう筈もなく、結果書き辛かったです。

・「椅子席あり」
正座が難しい人用に椅子席の用意もありました。数え忘れましたが30~40くらいはあったのではないかと思います。”おばちゃりだー”は体重もあり正座は苦手なのですが、正座席でがんばりました。

「身だしなみには気をつけよう」
”おばちゃりだー”が座った席ではかすかに足の匂いがしていました。ひぇ~💦
誰だ~!くれぐれも他の参拝者の方に迷惑をかけないよう、足が匂う方は替えの靴下を持参するとか、椅子席に座るとかちょっぴり気を付けましょう。正座は足の裏が近いのですからね❕(足は崩しても問題ありませんが、近いのはかわりません❗)

「歩く振動や気配が気になります。席は選んだほうが良いかも」
写経が終わった人から、納経、参拝、そしてお庭拝見となります。
写経が終わった人は、主に庭側の通路を歩きますので、正座していると歩く振動や音がダイレクトに伝わりますし、手が遅いとそれに加えて焦りまで出てきて落ち着かなくなります。できれば通路に近くない席や後ろに近い席に着席した方が集中できるかもです。

・「感想」
不思議と文鎮を落とす方が多くてちょっと「ほっこり」しました。文鎮はなぜ落ちるのか❔ 理由はわかりませんが、何人もの方が落とされていました。ほっこりですね。


📗 いざ『西芳寺庭園』へ

『西芳寺庭園』について
『西芳寺庭園』は国の「特別名勝・史跡」に指定され、『金閣寺庭園』や『銀閣寺庭園』のモデルになったと言われる名庭です。

荒廃、再興を繰り返したお寺ですが、上段には中興【夢窓疎石】石組みを見る事ができます。また、下段の池泉回遊式庭園を埋め尽くす120余種の苔の絨毯にはため息が出ますが、実はこの苔、覆われたのは江戸末期。荒廃、再興を繰り返し、谷間と言う土地柄洪水の被害にもあったこの庭はいつしか苔に覆われていたそうです。そしてその後も廃仏毀釈等、紆余曲折を経て1928年より庭園が一般公開されるようになり、その後、観光被害を避ける為、1977昭和52年より”往復はがきによる事前申込制”となりました。

休憩所から庭へのアプローチ

「写経」と「参拝」を済ませていざ『西芳寺庭園』へ、
右側の建物は休憩所で奥に手水があります。写経を終えてまずは一休み、一休み。

西芳寺 休憩所

西芳寺 休憩所 手水

庭へ入っていきますよ~。庭入口までのアプローチ部分の苔は青々とふかふかでした。
しっとりはしていませんでしたけどね、晴れ続きですからね。

下段 池泉廻遊式庭園


上下二段に分かれている庭園です。まずは下段黄金池を中心にした池泉廻遊式庭園から。
まずは、「湘南亭」に向かいます。

こちらが幕末に【岩倉具視】が隠棲していた重要文化財「湘南亭」です。
【千利休】の次男【千少庵】によって建てられました。
西芳寺 湘南亭
北に張り出した月見台が特徴です。

「黄金池(心字池)」



庭師の方が苔の上に落ちた木の葉を集めておられました。

おおおお~、見た目は少しグロテスクですが、あまりおめにかからないほど広い面積に「マンジュウ苔(白苔)」が・・・




上段 枯山水の原点、【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組

上段へ向かいます(この階段は上から撮影したものです)


階段を上がりきると、開山堂「指東庵・シトウアン」があります。(写真はございません。トホホ)
お堂には、開山【行基菩薩】、平安初期草庵を結び修行をした眞如法親王】、中興の祖【夢窓國師】の御位牌。
室町時代の松尾大社宮司で【夢窓疎石】を招請した藤原親秀(チカヒデ)夫妻】と【夢窓國師】の木像が祀られています。


開山堂「指東庵・シトウアン」お参りして、先へ進みましょう❗
おおーっと、ついついお参りすると左側へ進みそうになるのですが、ちょっと待って下さい❗

大変わかりにくいのですが、開山堂「指東庵・シトウアン」の向って右側に【夢窓疎石】の枯山水の石組みがあるのですよ。

ここ、気が付かない方もいらっしゃると思います。隠れてますからね、お堂の影に、わかりにくいですからね、かなり😓

1339暦応2【夢窓疎石】による日本最古の枯山水の石組です

見ると、水の落ちる様が見えるような、そんな石組です。



枯山水の前で一休みし、

階段を下り、

庭を出て、休憩所に戻り一休み、一休み。

あ、そうそう、開山堂近くに【夢窓疎石】が坐禅をしたと伝わる1mくらい(3尺)の「坐禅石」がありますのでさがして下さいね。”おばちゃりだー”は見たような気はするのですが、「坐禅石」失念していて通り過ぎてしまいました・・・😢


昨年の台風の傷跡も痛々しく、本来あるべき枝がなくなることで差し込む陽は苔にも影響を与えるでしょうし、お伺いすると、他にも暑い夏の影響も出てきているそうです。


そう言えば以前「桂離宮」で住宅が増える事で土地が乾燥してくる事も影響するとお聞きしたことがあります。

自然はデリケートですね。
がんばって下さい「庭師」さん💖 いつまでも美しい苔がみられますように。

📗 『西芳寺』基本情報

正式名称: 洪隠山 西芳寺 /通称「苔寺」

以前は天龍寺の境外塔頭でしたが、現在は臨済宗単立寺院。

創建:聖徳太子の別荘があった地に、【聖武天皇】の詔により約1,300年前の奈良時代に【行基】が開山

本尊:阿弥陀如来

開山:【行基】

中興開山:【夢窓国師・夢窓疎石】



📗 アクセス

・車
駐車場無し。周辺にコインパーキング有。ただし時期によっては混雑する為、公共交通機関の利用を推奨。
車で行かれる場合の道順は、上に書きました「自転車で『西芳寺』を目指す!」や地図を参考にしてください。

・電車
阪急嵐山線「上桂駅」駅より徒歩約15~20分
阪急嵐山線「松尾駅」駅より徒歩約15~20分

・バス
京都バス(73・63)「苔寺・すず虫寺」下車徒歩約3~5分
京都市バス(29)「鈴虫寺・苔寺道」下車徒歩10~15分


2019年6月13日木曜日

霊源院(建仁寺塔頭) │ 甘茶の庭『甘露庭』

来年は姿を変える「甘露庭」

『霊源院』の甘茶(アマチャ)の庭 「甘露庭」。6月16日(日)を限りに来年は姿を変えます。
違ったお庭になりますので、甘茶の咲く美しい庭をみたいと思っていた方、急いで下さい~💦

ちなみに新しい庭をつくられるのは【中根金作】のお孫さんだそうですよ。来年どのように変わるのか、楽しみですね。

一説には”甘茶”を左側によせ、インドの座石を配置し、右側は枯山水庭園(あ、今も枯山水ですよね)になるとかならないとか・・・これは来年も行かなきゃです。

”おばちゃりだー”的には『霊源院』おすすめです💗



10:00 - 15:30(16:00閉門)
一般:500円 中高生:300円 小学生:無料(保護者同伴要)
◇甘茶(塩芳軒特製今川家紋菓子付):500円※数量限定


📗 『霊源院』のみどころ

『霊源院』では特別公開中、スタッフの方が「掛け軸」「お茶室」「仏像」「甘露庭」等について、丁寧に”説明”をして下さいます。

小さなお寺ですが一つ一つ説明を聞きながら参拝できる為、とても満足感があります。
説明していただける全てが見どころです❗

■甘茶の庭『甘露庭』と”甘茶”


広くはない庭全体に甘茶が美しく配置され、お釈迦様の一生を現しているのだとか。

古い庭ではないそうですが、上品で涼やかなお庭で気持ちが和みます。来年には新しいお庭になるのが、もったいないような、来年が楽しみなような・・・



甘茶について

・甘茶は額アジサイそっくりです。
が、アジサイ科ではなくユキノシタ科に属するのだそうです。
色は約1か月をかけて””→”ブルー”→””と変わっていくそうです。
”白”はうまくとれませんでした~💧

甘茶(青)

甘茶(赤)

・甘茶とお釈迦様には深いご縁があります。
4月8日のお釈迦様の誕生日は「花まつり」「灌仏会」などと言われ、いろいろなお寺で、花で飾られたお釈迦様の像に“甘茶”をかけます。
それは、お釈迦様が生まれた時、天に9匹の竜が現れて、“甘露の雨”を降らせた故事に由来しているとか。

・甘茶🍵は本当に甘い
お庭の説明をお聞きした際にも甘茶の茶葉を食べさせて頂きました。口に含んだ瞬間に甘味を感じしばらくするとしびれるような甘さを感じました。

また、茶室「也足軒」では甘茶🍵(菓子付有料)を頂けます。お砂糖も入っていないのに茶葉と同じで本当にしびれるような甘さを感じました。
正直凄い!(甘さが)と思いました😝

■仏像

ご本尊の「薬師如来」をはじめ、重要文化財である「中巌圓月坐像」、胎内秘仏「毘沙門天立像【湛慶】」 そしてかわいいお釈迦様には”甘茶”をかけてあげましょう。

■掛け軸や書

「一休」さんの掛け軸や、10代の数年間を『霊源院』で学んだと言う【今川義元】筆「書状」、最近みつかった【狩野山楽】の「布袋図」等、一つ一つ説明して頂きありがたく拝見できましたよ👍

現代の琳派【木村英輝】の「誕生仏」めちゃカワ💖でした!

あ、それから【金澤翔子】さんの屏風に書かれた”書”も見る事ができました。力強くで素晴らしい文字でした😁

■茶室

四畳半の茶室「也足軒」
甘茶(塩芳軒特製今川家紋菓子付)500円(数量限定)を「甘露庭」を眺めながら頂けます。
お菓子は「塩芳軒」


一畳台目の茶室「妙喜庵」
花頭窓の明かりとりがインパクト大な小さな茶室。とっても落ち着きそうなお茶室です。入ってみたかった~。


📗 『霊源院』で”禅”体験

事前に申込むことで色々な”禅”体験ができます。ただし人数がまとまる必要があるかもしれませんし、詳細がわかりませんでしたのでFAXで確認して下さいね。
(興味があったので受付で確認したのですが、受付の方では詳細はわからないようでした。)と言合わせについて↓

http://www.reigenin.jp/zen/index.html#kenninji

体験出来る事

■ご住職による「建仁寺」「霊源院」の案内(45分)

■法話(45~60分)

■座禅(45~60分)

■写経・写仏(15~30分)

■お茶席(15~30分)

※問い合わせ・予約必須。

📗 アクセス


臨済宗大本山建仁寺塔頭 霊源院
京都市東山区大和大路四条下ル小松町594 霊源院
FAX 075-277-1118

京阪電車「祇園四条駅」徒歩12分
市バス206系統「清水道」下車徒歩5分

・「花見小路」から入ると一番遠い所にありますよ。八坂道の天ぷら「圓堂」や『六道珍皇寺』近くの入り口からのアクセスが良いです。


2019年6月11日火曜日

桂春院 (妙心寺塔頭) │ 6月の雨の日は苔と青もみじ

穴場です『桂春院・ケイシュンイン』

臨済宗妙心派 大本山妙心寺の塔頭寺院で、苔ともみじで有名なお寺です。
6月にはぴったりですね。

桂春院

「真如・清浄・侘・思惟」の四つの庭は国の名勝にも指定されている名庭ですが、アクセスがあまり良くなかったり、小さなお寺である為か、穴場なお寺なのです。
お抹茶も頂けますので、雨の日は、『桂春院』で自宅で過ごすようににまったりしっとり過ごしてみるのはいかがでしょうか。そうそう、ご朱印も素敵ですよ。
(参拝料400円/お抹茶菓子付400円)

📗 『桂春院』のみどころ

■江戸時代作庭の国の史跡名勝である四つの庭園

「清浄の庭」
入って最初に目にする坪庭です。(左写真)青竹が涼しげ井筒に力強い石組。
(右写真奥)花頭窓・カトウマドから奥の庭が覗きます。

「清浄の庭」を書院へ進むと現れるのが、
「侘の庭」
写真中央は「茶室 既白庵」に続く「梅軒門」。残念ながら「茶室 既白庵」は非公開

「梅軒門」の向こう側に緑深い庭が広がります、この庭が、
「思惟の庭」
「思惟の庭」には飛び石が飛んでいます。写真左上に見える屋根が上↑の写真に写る「梅軒門」の屋根になります。
四つ目の庭は、方丈南側に広がる↓
「真如の庭」
ツツジの刈込にもみじ等美しいお庭です。

桂春院「真如の庭」
真如の庭
また「真如の庭」は散策することができます。傘とつっかけが置かれています。
垣根の向こうの景色↓


   

■方丈の襖絵

【狩野山雪】(狩野山楽の弟子)による襖絵「金碧松三日月」
美しい襖絵ですが、写真NGなのです。

■色鮮やかなご朱印

ご朱印は受付時にお願いします。
”おばちゃりだー”帰りにご朱印帳を受け取り開いてみてびっくりしました。
綺麗・・・何だかうれしくなってしまいました。


📗 『桂春院』に行ってみて

参拝者が少ないため、ゆっくりお参りすることができます。お抹茶をお願いし、自宅に居るかのようにくつろいでお庭を眺めるのもよいのではないでしょうか。

また、『桂春院』の庭はとても素敵です。が、小さなお寺ですし、旅行等限られた時間の中となると『桂春院』だけを目指すよりは、他のお寺や神社と重ねてのお参りをおすすめします。


『法金剛院』と『妙心寺』をまわる

『法金剛院』と『妙心寺』及び『退蔵院』『大心院』等妙心寺塔頭、季節によれば塔頭『東林院』も特別公開を行っていますのであわせてのお参りも良いですね。

『龍安寺』とまわる

『龍安寺』からは徒歩圏です。『金閣寺』もしくは『仁和寺』などとあわせてのお参りも可能です。行きたいところや動線を吟味してコースを決めて下さいね。

『等持院』とあわせてまわる

嵐電「北野白梅町」駅から徒歩で『等持院』と『桂春院』をまわることができます。
『等持院』のお隣は門跡寺院『真如寺』です。特別公開の時は是非こちらもお忘れなく。




📗 『桂春院』基本情報

正式名称

臨済宗妙心寺派 大本山妙心寺塔頭 正法山『桂春院』

縁起・創建

創建:1598慶長3【津田秀則(織田信長の長男:織田信忠の次男)により『見性院』として創建される。

津田秀則】没後、美濃の豪族石河壱岐守貞政が父の菩提を弔うため、【桂南和尚】(石田光成の次男)を請じ、建物を整え両親の法名から二文字をとって『桂春院』と改めた。勧請開祖は桂南和尚】の師【心華霊明禅師】。


📗 アクセス

京都市右京区花園寺の中町11番地
075-463-6578

ー南門ー
JR嵯峨野線「花園駅」下車 徒歩5分
市バス91系統「妙心寺前」下車 徒歩4分 
京都バス62・63・65・66・67系統「妙心寺前」下車徒歩4分

ー北門ー
市バス26・8・10系統「妙心寺北門前」下車徒歩2分

『桂春院』は『妙心寺』境内の一番北東側にあります。
北総門(一条通)からですと、北総門を入らず東へ少し進むと↓のような「看板」が出ています。


『龍安寺』『等持院』からも徒歩圏内です。


📗 近隣関連記事

2019年6月10日月曜日

第122代 明治天皇陵へ参拝! │ 天皇陵

第122代『明治天皇陵』へ参拝!

上皇ご夫妻が退位のご報告の為『明治天皇陵』と『孝明天皇陵』へ参拝されると聞き『明治天皇陵』へ参拝いたしました!(もちろん孝明天皇陵へも参拝済です❗)
『伏見桃山陵(フシミノモモヤマノミササギ)』には【明治天皇】に殉死した【陸軍大将 乃木希典】のお墓もありました。

一山全部が『伏見桃山陵(フシミノモモヤマノミササギ)』で『明治天皇陵』は山(丘?)の頂にあります。『明治天皇陵』から見る景色は清々しく素晴らしい景色でした。
また、御陵の自体も全体像が良くわかり、気持ちよく参拝させていただける御陵でした~😁



📗『明治天皇陵』へ行ってみた

『明治天皇陵』はJR「桃山」駅  、近鉄「桃山御陵前」駅、京阪「伏見桃山」駅から歩いても行くことができます。

ひと山全部が御陵で、みんなの公園?と言うような趣でした。
”おばちゃりだー”はこの日”じじライダー”に連れて行ってもらった為、いきなりこーんな階段を目の前に見てしまいました。




いきなり、萎えましたよ・・・ほんと・・・
そして、それよりも、上皇陛下ご夫妻はこの階段を上がれるのかと、無理だよねと、本当に心配になりました。
(実は『明治天皇陵』へは他になだらかな散歩道と言うか車も通れる道がちゃんとあったのですが、この時は知らなかったので・・・)

”おばちゃりだー”気持ちは萎えましたが階段をのぼりましたよ😂



のぼりきると正面に『明治天皇陵』が



振り向くと、この階段!

視線を少し上げるとこの絶景👀



左手には何やら小屋、


右手には大木や手水、


手を清め、参拝😊



この後「桃山陵墓監区事務所」に行き、「御陵印」いただきました。
「桃山陵墓監区事務所」には看板が出ていませんでしたので、目印をば、
これは「お手洗い」です。入ると檜の香りがしました。
このすぐ隣が「桃山陵墓監区事務所」です。


とても気持ちの良いところですので、参拝おすすめです!

📗『明治天皇陵』概略


御陵名:伏見桃山陵(フシミノモモヤマノミササギ)

所在地:京都市伏見区桃山町古城山 (ひと山御陵ですぞ)
 →JR「桃山」駅  東へ1km
 →近鉄「桃山御陵前」、京阪「伏見桃山」 東へ1.5km
  
陵型:上円下方

御陵印:「桃山陵墓監区事務所」にて他御陵印とあわせて押印できます。
    御陵印は声をかけてだしていただきましょう。
桃山陵墓監区事務所


📗【第122代 明治天皇・コウメイテンノウ】


配偶者【一条美子(昭憲皇太后)
御父 【第121代孝明天皇】
御母 【中山慶子

   英照皇太后の子ではなく内侍であった中山慶子との子。
お子様
5人の側室に5男10女。成人した男子は大正天皇のみ。女子は4人が成人を迎えた。 

崩御

持病の糖尿病が悪化して尿毒症を併発し、満59歳で崩御された。
大喪の日、【陸軍大将 乃木希典】【妻・静子】が殉死。(Wikipediaより)

人物像(Wikipediaより抜粋

倒幕・攘夷派の象徴であり近代日本の指導者と仰がれ、明治大帝(Meiji the Great)・明治聖帝・睦仁大帝(Mutsuhito the Great) と呼ばれ、

はじめて都を京都から移し、「一世一元の制」を制定し、はじめて洋装をされ、「日本の残すべき文化は残し、外国の取り入れるべき文化は取り入れる」と言われていた人物。

日常生活は質素を旨とし、寒い日でも暖房は火鉢1つ、暑中も軍服を脱がずに執務され、戦時中は「兵たちと苦楽を共にする」という信念のもと「暖炉も使わず殺風景な部屋で立って執務を続ける」と言われ実行。この姿勢は晩年体調が悪化した後も崩れることがなかったそうです。

また、記憶力は抜群で、書類には朱筆で疑問点を書きいれ、内容を暗記して次の書類に相違があると必ず注意し、【伊藤博文】はよく前言との相違で叱責され、『ごまかしが効かない』と言っていたとか、
建築家の【片山東熊】は、後の大正天皇のための住居(現在の迎賓館)の完成報告に行くと「華美過ぎる」と言われたショックで「病気がちになった」との逸話もあります。

レコードをよく聴き、乗馬、和歌、唱歌や詩吟、琵琶歌、蹴鞠等を好み、
飛鳥井家の蹴鞠を伝える蹴球保存会を勅命と下賜金でもって発足させた人物であり、
ちょっぴり笑えるのが写真嫌いであったらしいというところ。

奈良時代【聖武天皇】が肉食の禁を出して以来、皇室では肉食はタブーとされていましたが、【明治天皇】は牛肉や牛乳を自ら進んで食し、新しい食生活のあり方を国民に示したそうです。

貧困層への医療政策として創設された「済生会」には、皇室から下付金150万円を下付されています。

”おばちゃりだー”Wikipediaを読んで、【明治天皇】は格好良い方だったのだなと思いました。

さいごに、東京で崩御された【明治天皇】のお墓がなぜ京都にあるかと言うと、御遺言で生まれた京都に眠りたいとのお話があったため、かなり前からこちらの用地は抑えていたのだと、一緒に御陵印を押印していたおじさんに教えて頂きました。


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